日本でのiPadの発売も近づき、USではiPadが発売され、俄然電子書籍に対する注目が高まっていると感じるこの頃。iPadのリリースにあわせてiTunesも9.1にバージョンアップされてePubファイルもiTunesで管理できるようになりました。
ただ、惜しむらくは書籍として認識されるのがePub形式のみという点。以前からPDFはiTunesで管理できましたが、書籍形式としては認識されず、このことからiPad上のiBooksではePub形式の電子書籍のみがサポートされることが予想されます。
海外の古い書籍であればGoogle BooksやProject Gutenbergで入手できますし、日本の古典は拙作のBookmarkletを使えば青空文庫からePubを作成できることができます。しかし、現在紙の本から電子データを作成する上で最も一般的と思われるScanSnap (+裁断機)では、PDFを作ることはできてもePubは作成できず、このままではiPad (というかiBooks)で市販の書籍を読む事が難しそうです。
他方、ScanSnapでは連番画像ファイルとして電子データを保存できます。そこで、連番の画像ファイルからePubを作成するシェルスクリプトを書いてみました。
べた書きの上にきちんとテストも行っていない状態なので、いつも通りAt Your Own Riskでお願いします。変更はご自由に。
以下、スクリプトの使用方法と説明です。
前提
- bashスクリプトなので、MacもしくはLinux等Unix系OSが必須です。
- 元画像ファイルは .jpg もしくは .png いずれかの形式・拡張子で、ファイル名は連番になっている必要があります。
- スクリプトはターミナル・コンソールから実行する必要があります。
実行方法
- 任意のディレクトリにePubに変換する一連の連番画像ファイルとスクリプトファイル(epubsh.sh)を置きます。
$ ls .
001.jpg
002.jpg
003.jpg
epubsh.sh
- ターミナルで1.で画像、スクリプトを置いたディレクトリに移動します。
$ cd /home/user/hoge
- 引数に書籍のタイトル、著者名を入力してスクリプトを実行します。
$ sh epubsh.sh タイトル 著者
- 実行したディレクトリに”(書籍のタイトル).epub”というファイル名が作成されます。
動作確認
Mac上のSony Reader Library、Stanza、iPhone上のStanza、Sony Readerで表示確認済み。
予想以上にiPhone上のStanzaで読めました。
やっていること
基本的に以前ポストしたePub形式のファイル構成に従って必要なファイルを作成し、パッケージ化しているだけです。
- 画像ファイルを/tmp以下の作業フォルダにコピー
- 各画像ファイルを表示するためのhtmlファイルを作成
- CSSで画像ファイルをheight=100%、text-align=centerに
- ePub用のファイルを作成
- ePub用のフォルダ構成に設定
- zipでePub形式を作成
- ePubを作業フォルダからカレントフォルダに移動
- 作業フォルダを削除
今後は…
正直な所、今後書籍の電子化をPDF形式にするべきかePub形式にするべきかは分かりかねるところです。
PDFは既に広く一般化していて、電子書籍としてだけではなくMac等ではOSレベルでサポートされているものの、iPadやE-Bookリーダでのサポートが弱い。
ePubはiPadのiBooksでも標準サポートされ、主要なE-Bookリーダでサポートされるものの、Mac等で扱いにくい。
実は画像ファイルで電子化しておくのが一番汎用的なのかも知れません。
コメント
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連番画像をepubにするとして画像が100枚だったらどれくらいのサイズになりますか?
画像ファイルが大部分ならPDFとの違いはあまりないというか、PDF以下のものに成り下がってしまう気がします
EPUBとPDFとでは用途も異なるので、PDF以下のものに成り下がる、というのは少々言い過ぎな気もしますが、画像だけのものであれば「EPUBである」という事以上のメリットは無い、という点は同意です。
サイズも特に小さくなるわけではないので。
まだiBooksがPDFに対応していない頃に、iBooksで本を読むには、というところを意識して書いた記事なので、いまは状況も変わっていると思います。
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